浄海山円龍院観音寺、天台宗。本尊は聖観世音菩薩。天平元年(729年)泰澄大師の芦創といわれ、当初は一山十二坊を数えたという一大霊場であったが、その後衰退した。しかし、永禄年間(1558年〜1570年)智恩院全運が再興し、天正4年(1576年)加賀百万石の藩祖である荒子城主前田利家が修造した。その後幾度か改修され、江戸時代から尾張四観音の一つとして栄えている。現在でも、節分には大勢の老若男女でにぎわっている。境内には、建立年は不詳だが、天文5 年(1536年)に再建された多宝塔がある。これは、市内最古の木造建築物で、室町時代の建築様式をよく表しており、国の重要文化財に指定されている。また、同寺には円空上人作のナタ彫り仏像が1200体余り残されており、毎月第2土曜日午後1時から4時まで拝観できる。